札幌市桑園にある公益財団法人ふきのとう文庫の創設者、小林静江さんが昨年12月9日に92歳で亡くなりました。
小林静江さんは岩波書店で児童書を編集していましたが、道内に移り住み、1973年に市立小樽病院小児科に第1号の「ふきのとう文庫」を開設、布の絵本などを創作しました。1982年に札幌市西区に「ふきのとう子供図書館」を開館しました。障害のある子供にも本を読む喜びを知ってほしいと図書館づくりをしてきた功績で、2002年に道新文化賞を受けています。2013年に「ふきのとう文庫」は、中央区北6西12に新築移転し、年間約1万5千人の利用があります。
1月末まで開かれた追悼の催しでは、同館の多目的ホールの一角に、布の絵本の原本=写真=や拡大写本、小林さんの経歴、賞状などを展示しました。高倉嗣昌代表理事は追悼の言葉のパネルで、「偉大なパイオニアであられたことを称えます」として8つの業績を紹介。第1に「文庫や図書館活動で初めて心身に障害を持つ子供を主役に位置付けたばかりではなく、障害を持たない子供たちと対等の立場で交流することを目標とした」ことを挙げています。
当基金は毎年、同文庫に布の絵本製作費を助成しています。同文庫は日、月、火、水曜の午前10時から午後3時まで開館。問い合わせは☎011-222-4839へ。