胆振東部地震の被災地、胆振管内むかわ町と厚真町を、道新福祉基金の義援金受け付け最終日の11月30日に訪ね、役場で話を聞きました。
人口約4600人の厚真町では、土砂崩れで多数亡くなった吉野地区で壊れた家の跡片付けが続いていました。義援金は住宅半壊以上の大きな被害について11月末で町民からの申請を締め切り、罹災証明を基に380人を受け付けました。年内には支給します。半壊に至らない一部損壊は12月4日から申請を受け付け、年明け後に渡します。一部損壊で1家屋当たり7万円から10万円になります。
町総務課の高安正参事は「町内の全居住者が対象になるので、(一部損壊は)地区ごとに受け付けます。道新福祉基金をはじめ、みなさんにご支援いただいたお金は、間違いなく届けます。町としても被災者の生活再建に向けた策を講じ、住宅の修繕、補修や購入をする人にもお配りしたい」と語っていました。
むかわ町では、メーン商店街のあちこちに今も損壊した建物が残り、工事中の店もありました。ガラスが割れた家具店では、入り口を高さ2.8メートル、幅11メートルのベニヤ板で覆い、ボランティアや高校生が「伸びゆく木」の作品をペンキで描きました。明るい気分を感じさせていました。
義援金については、建物の全壊、半壊だけでなく、地震時点で住んでいた全世帯に配分することになり、12月4日から申請を受け付けます。町総務企画課の貞廣愛美主事は「家具や家電、食器などが壊れた人を含めると、約8100人の町民全員が被災者というイメージです。義援金をもらえたら助かります、という声を身近に聞きます」と話していました。
厚真町に直接贈られた義援金は11月26日現在、6億4290万円に上り、このほか、道新福祉基金など北海道災害義援金募集委員会と道庁を経由した義援金の1、2次配分が2億4463万円届いています。鵡川町への義援金は直接分が11月6日現在で1億605万円、道経由分が5515万円となっています。今後も、道経由の3次配分が被災地の市や町に贈られます。
写真上は厚真町吉野地区と、中はむかわ町中央通、下はむかわ町の家具店、11月30日に撮影。