北海道奨学金ネットワークの第3回総会と学習会が2月28日、道新本社で開かれ、道内の奨学金支給団体などから26人が出席しました。
2018年度の活動報告と2019年度の活動計画を承認しました。次いで、国の「奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進」制度を利用して奨学金の返済支援に取り組むよう道に要望書を提出することを認めました。
引き続き、学習会に移り、北海道学費と奨学金を考える会(インクル)の西博和弁護士が「最近の奨学金問題の動向」と題して講演。「借りた時は未成年なので親主導で申し込み、親が返済できなくなった時に初めて本人が知ることになる。連帯保証人と保証人に督促が行くので、自分だけで解決できる問題でない。返せなくなったら、すぐに相談を」と訴えました。奨学金は身近な消費者問題であることを高校生に教える重要性を強調し、クイズ形式で弁護士会が高校生に教えた例や、冊子を紹介しました。
続いて、札幌新陽高校の長谷川欽彦教頭が、同校の進路指導を具体的に語りました=写真=。「私も家が貧しく、奨学金を受けて、返した口。本校は所得の低い家庭の子が多く、奨学金がないとどうにもならない。大学や短大への進学希望率が近年、急増している。奨学金やアルバイトを組み合わせて、できるだけお金をかけずに学生生活を送れるよう、教員が生徒と1対1で進路指導をしている」と言います。小中学校で相手にされなかった生徒が、同校に入って成績が伸び、今、短大生になって、国立の4年制大学を目指している例も挙げました。また、教科書に載っていることと生活が結びついていない子が多いことから、調べ学習を多用しているそうです。「新聞の回し読みを教育に取り入れ、記事や社説を書写することで、小論文で良い文章を書けるようになった」と話していました。