札幌市母子寡婦福祉連合会の奨学金贈呈式が6月28日夜、札幌市の「かでる2.7」で開かれました。
本年度は、道新社会福祉基金からの53人分を含む178人に1人年間6万円の返済不要型奨学金が贈られます。贈呈式では、箭原恭子札母連理事長が「変わりゆく時代を生き抜いていくために、物事を自分のこととして受け止め、何に違和感があるのかを見極め、好きなことを見つけてほしい」とあいさつしました。
原資を提供した当基金と北洋銀行、札幌信用金庫、北海道CGC、サッポロビール、札母連の各代表が、奨学生に目録を手渡し=写真=、祝辞を述べました。このうち、北海道CGCみどりとこころの基金の横山清理事長は、「私も早くに父を亡くして母の頑張りを見て育った。7人きょうだいで、高校を出て2年間炭鉱で働き、北大に入った。北大時代は寮生活で仕送りなし、アルバイトをして卒業し、何とか今日に至っている。一生が勉強だから、今83歳になっても年間50冊の本を読んでいる。高校時代に学力をきちっと身に付ければ、あとはいろいろな手立てがあり、人生が開けていく。一生懸命努力すれば何とかなる。頑張らないで頑張ってほしい」と話しました。奨学生と母親たちは、横山さんの話に食い入るように聴き入り、元気をもらっていました。
札幌市子ども未来局の可児敏章局長は、ワールドカップサッカーの長友選手も母子家庭で育ったことを例に、励ましました。
奨学生代表が「高校に入ってから学費など母に負担をかけながらも充実した生活をしている。ここまでこれたのも母、札母連、奨学金制度を支えてくれた皆さまのおかげ。これからも社会のために努力していきたい」と謝辞を述べました。