北海道奨学金ネットワーク(北奨ネット)は3月26日、道知事に対し、奨学金の返済を支援する制度創設の要望書を提出しました。
国は2016年、「奨学金を活用した大学生等の地方定着促進要綱」をまとめ、地方自治体に対して奨学金の返済を支援する基金の造成を求めています。これをうけて32府県では基金が造成されるなど取り組みが始まっていますが、北海道ではまだ実現していません。基金造成にあたっては国の助成があり、地元負担は少なくて済むことから北奨ネットとして早期の取り組みが必要と判断、先の総会で道に要望書を提出することを決議していました。
この日は、北奨ネットから木村純代表ら5人が道地域政策局地域戦略課の高見里佳・移住交流担当課長らに要望書を手渡しました=写真=。
懇談で北奨ネットの谷本伸一事務局長は「国の支援制度の導入が全国で進んでいる」と早期導入を訴えました。これに対して高見課長は「国の支援を受けるためには重点とする産業分野を絞ることや官民一体となって基金を作るという条件がある。さらに(政令指定都市として北海道と同格に位置付けられる)札幌市との関係もある。これらをどのようにクリアしていくか、どう取り上げるかを検討しているところだ」と述べました。北奨ネット側からは「他府県は柔軟な制度設計をしている」「道外大学を卒業した学生の受け入れにも力を」など道としての積極的な取り組みを重ねて要望しました。
このほか、先の道議会予算委員会で道が示した奨学金問題を検討する庁内会議の設置準備についても聞き、今後も情報交換を密にしていくことを確認しました。
(文、写真も・鈴木隆司北奨ネット事務局次長)