札幌市内の児童養護施設で長く暮らし、専門学校で公務員試験の勉強をしてきた、道新福祉基金の奨学生(19)が札幌市の職員採用試験に合格し、11月16日、喜びの報告に来ました。
この奨学生は、当初4年制大学を志望しましたが、試験に落ちて、今春から第2希望の専門学校で公務員試験を目指してきました。当基金の社会的養護児童進学・自立支援金50万円を授業料に充てたため、アルバイトをせずに勉強に専念でき、英検2級など資格も取りました。
本命にしてきた札幌市の高卒一般職は9.6倍の難関でした。筆記から面接まで3次の試験を経て、合格通知が先週末、届きました。「札幌市職員になった高校時代の友人や先生も支えてくれた。いろんな人から支援をいただいた分、頑張ることができた」と、感謝しています。
施設の措置延長も本年度限りで、もし、公務員試験に落ちていたら、働きながら大学夜間部で学ぶ可能性もあっただけに、施設の職員もほっとした表情です。
面接試験で着た黒いスーツに赤いネクタイであいさつに訪れた奨学生は、「自分のように事情がある人が市役所に来た時には、それを踏まえて話を聴ける職員になりたい。共感して対応してもらえるだけで、楽になるから」と話していました。